NPO法人有明支縁会では、難病や障害、コロナ後遺症などにより重い症状を抱えながらも、制度の狭間で必要な支援を受けられずに苦しんでいる方々の声を国へ届けるため、国会請願に向けた署名活動を行ってまいりました。
当法人の活動は、国への働きかけだけではありません。目の前で苦しんでいる方を、行政や医療、福祉制度へと直接つなぐ「現場での同行支援」も、大きな柱の一つです。
2026年5月から6月にかけて実施した個別支援の実績と、国会請願活動についてご報告いたします。

医療と行政へつなぐ、現場での同行支援

現場で当事者の方々と向き合うほど、制度や支援の壁、そして地域による対応の差を痛感します。
当法人では、当事者の方お一人おひとりの生活再建のため、医療機関や行政機関への同行、相談支援、訪問支援などを行っています。

🏥 京都大学病院への同行支援

2026年5月28日

コロナ後遺症により大きく体調を崩され、長い時間をかけて医療や福祉につながる道を一緒に探してきた相談者の方を、京都大学病院へお連れしました。
この方は大阪からお越しの方で、これまでも医療機関や福祉制度につながるための支援を継続してきました。

全国には、重い症状がありながらも、お住まいの地域によって必要な障害福祉サービスにつながれる方と、つながりにくい方がいらっしゃいます。
当法人では、地域に置き去りにされている方々を少しでもよい方向へつなげられるよう、行政や医療機関と連携しながら支援を続けています。

🏛️ 障害福祉サービス利用に向けた市役所同行・訪問支援

2026年6月10日・11日

東京での国会請願活動とあわせて、難病や障害のある方々の生活支援のため、行政への相談、市役所への同行支援、訪問支援を行いました。
制度として障害福祉サービスが存在していても、当事者の方がそこにつながるまでには、非常に高い壁があります。
体調が悪く外出が難しい方、窓口へ行くこと自体が大きな負担になる方、制度の説明を受けても一人では申請まで進めない方など、現場にはさまざまな困難があります。

だからこそ、当法人が間に立ち、行政に直接実情を伝えながら、必要な支援につながるための同行支援を行うことが重要だと考えています。

現場で直面する「制度の狭間」の現実

当法人には、難病を抱えながら小学生のお子さんと二人暮らしをされているお母様からのご相談も寄せられています。
頼れるご家族もおらず、生活保護を受けていても児童扶養手当が差し引かれるため、食費が足りず、1日1食の日もあるという切実な状況でした。

「病気で動けない。でも、子どもをヤングケアラーにはしたくない。」

その思いを抱えながら生活されている親子に対し、当法人ではこれまで何度も食料支援や必要な物資の購入支援を行ってまいりました。
こうした一人ひとりの困りごとは、決してご本人の努力不足ではありません。制度の狭間に置かれている現実そのものです。

議員会館での活動と、声から生まれた小さな希望

地域にかかわらず、誰もが安心して生きられる制度の確立を国に求めるため、当法人では集まった署名を国会へ正式に提出する準備を進めました。
請願を国会へ提出するには、趣旨に賛同し紹介議員となってくださる国会議員の先生を通じて提出していただく必要があります。
そのため、事前に全国会議員の皆さまへご案内をお送りした上で東京の議員会館を回り、議員の先生方や秘書の皆さまに、現場の切実な声を直接お伝えしました。
多くの方々が真剣に耳を傾けてくださり、前述した難病のお母様のケースでは、お話を聞いてくださった国会議員の先生が、地元の市議会議員の方へつないでくださるという具体的な一歩も生まれました。
声を上げ続けることで、現実は少しずつ変えられる。今回の活動を通じて、そのことを改めて感じています。

衆参両院で8,000筆超の署名と、62名の国会議員の賛同

今回の署名活動では、全国から大変多くのご協力をいただきました。
2026年6月7日には、諫早市社会福祉協議会にて署名の仕分け作業を行い、衆議院・参議院それぞれへ提出するための準備を進めました。
最終的に、皆さまからお預かりした署名は、衆議院・参議院あわせて8,000筆を大きく超えました。
また、趣旨に賛同し、紹介議員をお引き受けくださった国会議員の先生方は62名にのぼりました。
お預かりした請願書は、紹介議員の先生方を通じて、衆参両院の請願課へ提出され、国会での審議へと進んでいきます。

提出はゴールではなく、スタートライン

議員会館を回る中で、ベッドから起き上がることが難しい患者さんへ、移動中に見えた富士山の写真をお送りしたことがありました。
その方からは、このようなお返事をいただきました。

「外に出られないから嬉しいです。季節は変わっているんですね」

普通にご飯を食べること。眠ること。外に出て季節を感じること。
多くの人にとって当たり前に思えることが、病気や障害により難しくなっている方々がいます。
今回の請願提出は、決してゴールではありません。ようやく立つことができたスタートラインです。
「制度はあっても、そこにつながるまでに苦労されている方がたくさんいる」という現実に対し、当法人ではこれからも、病院や市役所への同行といった現場での個別支援と、国への政策提言の両輪で、諦めずに活動を続けてまいります。

署名にご協力くださった皆さまへ

この度は、国会請願に向けた署名活動に、全国から本当にたくさんのご協力をいただき、誠にありがとうございました。
短期間にもかかわらず、必死に署名を集めてくださった皆さま、ご郵送くださった皆さま、東京保険医協会の先生方をはじめ、お力添えいただいたすべての皆さまに、心より深く感謝申し上げます。
また、能登半島地震および豪雨の被災地の方々にも、回覧板などを通じて署名にご協力いただきました。
ご自身も大変な状況にある中で、他の困難を抱える方々のためにお力を寄せてくださったことに、心より御礼申し上げます。
お預かりした一筆一筆には、制度の狭間にいる方々の声、家族を思う気持ち、そして制度を整え、社会を少しでもよくしたいという願いが込められています。

改めまして、署名にご協力くださったすべての皆さまに、心より深く感謝申し上げます。

誠にありがとうございました。